2006年4月の“Think!Think!Think!”
『“人”の演出を考える』
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第1回 〔まずは第一印象から〕
スーパーマーケットを含め、店が多種多様化すると共に取り上げられ、改善されてきた接客・サービス。
それらに関する書籍やセミナーなど、強化ツールも昔に比べると格段に多くなり、その分レベルも向上しています。
消費者の求めるものが年々高くなっていき、それに応えるために店は独自に様々な努力をしているわけですが、今回の『Think!・・・』はソフト面ではなく、「人」のハード面について4回にわたり考えてみたいと思います。
まず、人が他人を見るときには「第一印象」で判断しますよね。
そのイメージ、先入観が良くも悪くも後の接し方に影響します。
「人は見た目ではない」とは言いますが、相手の情報が何もなければ外見で判断するしかありません。
となれば、瞬間のみ接する接客業では身だしなみが大きくものを言います。
本当はステキな人なのに、身だしなみができていなかったばっかりにマイナスイメージを与えてしまうことほど損なことはありません。
例えば、高級ホテルのフロント係りがヨレヨレのユニフォームを着ていたらどうでしょうか。
もうそれはひどくガッカリで、そのホテルを選んだことを後悔するか、後でメールでクレームを言ってみたりしそうではないですか?
お洒落なレストランの厨房からドロドロに汚れたコック服を着たコックさんが出てきたら、食べる手を止めてしまいそうではないですか?
また来たいと思うでしょうか?
(中には全然気にならない人もいるのでしょうが・・・)
清潔好きの日本人だけに、人の身なりで店全体の印象が決まってしまう世の中。セルフサービスのスーパーだから、ダンボールや濡れたものを運ぶから、少々汚れていてもかまわない。という時代はもう過ぎ去ったように思います。
もちろんほとんどの企業は努力されているはずですが、偶然でしょうか。
自分が買い物に行くと、そういった光景をよく目にします。
従業員の身だしなみがまぁまぁ適度に整っていて、少々古臭いデザインでも何となくキレイなユニフォームならば別段問題はないかもしれません。しかし、それを良しとしてしまえばその店の価値はそれまでです。
これは非常にもったいないと思います。
細かい部分まで気を使って、「あれ?何か違う」という“与える空気感を変える”という店の向上心がお客さんの支持につながっていくのではないでしょうか。
次週は、今回も触れた「身だしなみ」について、もう少し考えてみたいと思います。
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第2回 〔身だしなみ〕
もう今さら確認しなくても、もはや「常識」。皆さんお解りだとは思いますが、身だしなみの重要性は人と接する仕事では絶対的に高くなります。
まして、食品を扱う店では、何よりも清潔感が求められます。
1日働いていると、あれもやならければ、これもやらなければ、荷物を運んで水仕事もして・・・と、働くほどに作業着は汚れます。
汚れてもいいために作業着を着ているわけですが、お客さんにとってみればそれはかなり印象に残り、その汚れは「店の汚れ」に映ってしまいます。
これは損なイメージですよね。
「仕事してるんだからしょうがない」と言うのもわかりますが、それが通らないのが実情。お客さんあっての商売、お客さんに不快な思いをさせるわけにはいきません。
「しょうがない」で済ませることは簡単ですが、前回も言ったように、そこで終わらせてしまうと、その店の価値はそこまで。
結局「キタナイ」という印象で終わりかねません。
また、身だしなみを整えるというのは、「誠意を伝える」ということにも通じます。「キチンと身なりを整えた人たちが売っているのだから安心」というのは大きな
ポイント。それでなくても安心・安全に敏感になっている今だからこそ、徹底して行うことが必要ですよね。
スーパーマーケットでは、各店舗でユニフォームの着こなし方や髪の毛、爪、時計やアクセサリーの着用などについて、マニュアルやガイドラインが設定されていると思いますが、セルフチェックはもちろん従業員同士でチェックをし合い、常に客観的に見ることが大切だと思います。
合格点を出すのは、マネージャーでも店長でも社長でもなく、「お客さん」なのですから、客観的な目というのはとても大切なことだと思います。
あと、最近は対面販売を行っているところが増えましたが、汚れた作業用のエプロンや長靴などを「とりあえず引っかかるところ」に置いたりはしていませんか?
意外とお客さんはそんなところを見ています。
これは身なりの身だしなみではなく、「心の身だしなみ」とでも言えましょうか、
少しの心がけで改善できるところなので、是非気を付けてもらいたいところです。
そして、まずは決められたマニュアルやガイドラインに沿うことも必要ですが、そのマニュアルもサービスの改善と共に常に見直されていくべきだと思います。
商品が良くなって、サービスが改善され、店が改善されても、人のハードだけ時代が止まったままのマニュアルでは、もったいない!
何となく守られてきたルールだから、それが一般的だから、マニュアルとして浸透しているというよりも、時代にあったマニュアルで従業員の方がもっと楽しく「変身」できて、店の演出に力が加われば、それが様々な面で作用して良い循環が生まれそうな気がします。
スーパーはそれこそいろいろな考え方の人が集まるところなので、基本的なことを守ることは絶対に必要ではありますが、頭を柔らかくしてお客さんも働く人も飽きさせない、ということも大事だと思います。
“人”の演出で、お客さんにもっと店の姿勢を伝えていくために、次回は「エンターテイメント」について少しThink!してみたいと思います。
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第3回 〔エンターテイメント〕
今回は、人のエンターテイメントについて少し考えたいと思います。
どこのお店にもある基本的な身だしなみマニュアルを守ることにプラスして、見た目でお客さんに楽しくなってもらえるような演出があれば、働く人の気持ちも変わり、お客さんにももっと楽しく気持ちよく買い物してもらうことができないでしょうか?
例えば、私達SCWのスタッフは、日頃どちらかと言えばラフな格好で仕事をしています。
でも、特別な日にビシッとスーツを着ると気持ちが引き締まり、行動もキビキビして、人に与える印象も違うように感じます。
そういう「気持ち」が行動を変えるというのは、とても良い効果ではないでしょうか。
しかしそれが毎日だと、「当たり前」になって結局気持ちに変化がなくなってしまうのが人間の悲しい性。
要はマンネリをなくして働く人が飽きないようにすれば、お客さんに与える印象も変えられるのでは、ということです。
従業員が気持ちよく仕事ができないと、お客さんも気持ちよく買い物ができないですよね。
また、人が持つ制服に対するイメージ・先入観というのは、非常に大きいと思います。
スーパーでも、大売出しでハッピを着て盛り上げようとしたりしていますが、今ではそれも制服を着るくらい当たり前になって、うまく効果を出し切れていないような気がします。
しかも、シャツとスラックスの上にハッピなんて、違和感ないですか?
取って付けた感じがして、どうも楽しそうに見えないのは私達だけでしょうか。
どうせならいっそのこと、「そんなバカな!」というくらい思い切って本気の祭りの格好をした方が・・・というのはちょっと大げさですね。
不純かもしれませんが、「あそこの制服を着て仕事がしたい」というのが動機になるくらいでもいいと思います。それも店の魅力ではないでしょうか。
もうすっかり定着した感のある、メイド喫茶なんかはそうですよね。
あれは働く人が“なりきっている”ため、サービス面にも好影響を与えています。
スーパーでもイベント的に浴衣を着たり、ハロウィンの格好をしたり、サンタクロースの格好をしたりということをやっているところはありますが、特別なイベントだけではなく、普段から変化をつけたユニフォームがあってもいいと思います。
気分を盛り立ててくれる、なりきれるユニフォームでモチベーションアップもあり得ると思います。
もちろん、お客さんは従業員の格好を見に来るのではなく、買い物に来ているわけですが、常に気持ちに「良い変化」のある従業員と、毎日毎日何の変化もない従業員が働く店では、買い物時に感じる空気が違うのではないでしょうか。
そういった、「空気」を変える試みも、差別化の一つの方法だと思います。
ディズニーの真似ではありませんが、“従業員”が『キャスト』になれるというのは、絶対に強いと思います。
次回最終回は、少しハメを外しそうですが、こんな工夫があったらということをいくつか挙げてみたいと思います。
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第4回 〔従業員からキャストへ〕
最終回の今回は、モチベーションアップ・店のマンネリ化を解消・買い物時にお客さんに与える空気感を変えられるような演出・従業員が“キャスト”となれる工夫や、普段買い物に行く店にこんな人やあんな人がいたら楽しそう!という、自分達の希望を挙げてみたいと思います。
(あり得ない!とツッコミながら読んで頂いて結構です ^_^;)
まずは簡単なところから挙げると、店長さんは専用のユニフォームを着る。存在感のある出で立ちで、この人なら頼りになりそう!
という姿でお客さんを迎えてもらいたいです。
「え?あの人店長だったの?」というような、皆とほとんど同じで誰が店長だかわからない格好ではなく、一目見て「あの人、何か皆と違うな」という格好で、先頭に立って店のモチベーションを上げて頂きたいです。
店の雰囲気に合わせて、高質イメージの店舗ならばホテルのフロント係やソムリエの田崎さんのようなビシッとした格好、昔から地域になじみのある店ならば、ポケットからお菓子を出す子どもに大人気の“オーバーオールのおじさん”なんてキャラクターを作っても面白そうです。
次に、買い物に行って気になるのが、駐車場・駐輪場の警備員さんや店内の掃除をしている清掃員さん。
外部に委託しているところも多いですが、例え外部の人でもお客さんにとってみればその人たちも『店の人』です。
なのに、店にも本人にもその意識があまり無いような気がするのです。
少し前の食品商業の記事の中にも、<お客さんが駐輪場に自転車を止めようとしたところ、そこの警備員に「そんな置き方するな!そんな自転車隅っこに置け!私はここの警備をしてるんだ。仕事上邪魔だ!」と言われた>とありました。
これはもう酷すぎますが、この警備員さんや、息を潜めるかのように黙々と作業を続ける清掃員さんが“キャスト”の一員になれば、強力なパワーになるのではないでしょうか。
車が止めやすい、自転車が置きやすいというのは店を選ぶ重要ポイントですし、ディズニーランドの清掃クルーは、ちょっとした演出でイライラする待ち時間にもホッと心を和ませてくれる力がありますよね。
警備会社や清掃会社のユニフォームではなく、お店の名前が入ったユニフォームを着ることで、『店舗の一員』であるという意識が生まれ、責任感と行動が起こるのではないでしょうか。
そしてユニフォームにもう少し首を突っ込んでみると、本来従業員が着るものであれば「ユニフォーム」ですが、ここは一つキャストになるために“衣装”と呼んでみます。
例えば、その衣装をカテゴリごとに分けるのではなく、店に一つのテーマや物語を作ってスタッフを「配役」し、それぞれにあった衣装を着る。
登場人物のプロフィールも細かく設定して、「役になりきってみる」なんてどうでしょうか。定期的に物語を変えれば、店を改装しなくても新しい気持ちが味わえそうです。皆でストーリーを考えれば一体感も増しそう!
スタッフも「文化祭」気分で、あの懐かしいワクワク感が蘇ったりしないでしょうか・・・これぞ、ディズニーにも勝るとも劣らない(?!)「エンターテイメント・フードストア」!
劇団員や若手の芸人を積極的にアルバイトスタッフとして雇うのも、お互いにメリットがありそうな気がします。
前回の配信後に、あるメーカーの支社長様から頂いたコメントに、『結局お客様は、引っ張ってくれる人、楽しませてくれる人、信頼できる人、解りやすく説明してくれる人を求めています。悲しませる人・暗い人は敬遠しますね。是は絶対間違いない!』とありました。おっしゃるとおりです。
実際お店で働く人たちも、頭ではわかっていても、『日常・ルーチン・当たり前』が実行に移せない要素になっているのではないでしょうか。
丁寧で気持ちの良いサービスがあれば、それに越したことはありませんが、さらにその店にしかできない、オリジナルの『人のエンターテイメント』があれば、より差別化につながるのではないか、と思うのです。
今までのスーパーマーケットの概念を取り払って、『これがスーパー?!』と思うくらいの店が1つくらいあってもいいと思います。
スーパー業界にも、「新庄選手」のような、次は何をしでかすんだ?!というヒーローの出現を強く希望します!